この節では、日本のこれまでの在宅緩和ケアを時系列に概観します。さらに、これからの地域包括ケア時代における、患者や家族の家庭での生活を地域で支える在宅緩和ケアについて考えていきます。
それぞれのセクションの概要は、以下の通りです。
「1-2-1 国内における在宅緩和ケアの動向」(3分52秒)では、国内における在宅緩和ケアに関わる様々なトピックを軸にこれまでの歴史的経緯を、特にこの10年の動向を中心に解説します。
「1-2-2 「本人」を分け隔てなく対象とする」(2分22秒)では、がん腫やがん以外の疾患の種類、年齢、居場所などで分け隔てをすることなくケアを行っていくことの重要性を検討します。
「1-2-3 家庭での暮らしを「家族」まるごと支える」(3分13秒)では、生活を支える視点を持ち生活の質を重視すること、患者だけでなく家族全体を支援の対象としてとらえることについて述べます。
「1-2-4 「地域」におけるケア統合の推進」(4分11秒)では、地域のなかでの他職種協働、切れ目のない主治医機能連携、地域におけるケアの統合としての在宅医療と介護の水平統合、在宅医療と病院との垂直統合など、様々な連携の意義を考察します。
最後に「1-2-5 本人・家族・地域に軸足を置く緩和ケア」(2分30秒)では、ここまでの講義をもとに患者をまるごと、家族ぐるみに、地域に視座を置いて患者を診ていくことについて総括します。
講師: 川越 正平(あおぞら診療所 院長)
1-2.在宅緩和ケア総論2 (2.25MB)