非がん疾患の緩和ケアは、多様な病態と取り組むことになりますが、基本的な考え方を理解し適切に対応することで、患者や家族の苦痛を和らげ、残された時間をよりよく過ごすことができるようになります。この節では、総論として非がん疾患の在宅緩和ケアにおける重要な点を整理していきます。
それぞれのセクションの概要は、以下の通りです。
「3-1-1 非がん疾患の緩和ケアの歴史」(3分16秒)では、まず、非がん疾患に緩和ケアの世界的潮流を探ります。緩和ケアを必要とする人の3人に2人は非がん疾患です。ここでは欧米、そして日本での歴史的経緯を概観します。
「3-1-2 緩和ケアの対象となる非がん疾患と症状緩和」(1分59秒)では、終末期の緩和ケアの対象となる疾患を確認したうえで、最期の一週間に発生頻度の高い症状を再確認します。
「3-1-3 非がん疾患の予後予測について」(3分44秒)では、非がん疾患の予後予測について解説します。非がん疾患では、比較的長期の予後予測が難しく直前にならないと死を予測できない特性があります。この特性を踏まえて患者や家族に残された時間をよりよく生きるため、どのように意思決定を支援するかを考えます。
「3-1-4 非がん疾患の意思決定支援」(4分11秒)では、終末ケアが必要な患者を早期に発見するための考え方と、早期からの意思決定支援がケアの質を改善することについて解説します。
最後に「3-1-5 まとめ」(1分26秒)では、非がん疾患の緩和ケアについて特徴をコンパクトにまとめます。
講師: 平原 佐斗司(東京ふれあい医療生協 梶原診療所 在宅総合ケアセンター長、オレンジほっとクリニック 所長)
3-1.非がん疾患の在宅緩和ケア-総論 (1.33MB)