この節では、非がん疾患の在宅緩和ケアを各論で解説します。具体的には、COPD、心不全、認知症に焦点を絞り講義します。最後には、非がん疾患の緩和ケアに習熟するために何を学び続ける必要があるのかについても考えます。
それぞれのセクションの概要は、以下の通りです。
「3-2-1 非がん疾患の緩和ケアの対象疾患」(0分46秒)では、今一度終末期に緩和ケアを必要とする疾患を振り返ります。
COPDの最大の苦痛はなんといっても呼吸困難です。「3-2-2 COPDの緩和ケア」(3分28秒)では、COPDの進行にともない呼吸困難のマネジメントがどのように変化するのか、終末期に向けてどのように対応するのかについて講義します。
心不全では、標準的治療の継続が緩和ケアにもなるため、積極的な治療を継続します。「3-2-3 心不全の緩和ケア」(4分7秒)では、症状への対応についてエビデンスを示しながら解説します。病状が急変することの多い疾患ですから、適切な時期に繰り返し意思決定を支援していくことも大切です。
「3-2-4 認知症の緩和ケア」(9分3秒)では、認知症緩和ケアにおける基本的な事項を整理し学習します。認知症末期の苦痛は、嚥下障害と食思不振、呼吸困難に加え、感染症に起因する症状や廃用症候群などです。苦痛を緩和しつつ、予後予測をしながら患者や家族に寄り添う緩和ケアを考えます。
最後に「3-2-5 おわりに」(1分55秒)では、非がん疾患への緩和ケアについて習熟するためのポイントを講義します。非がん患者が増える傾向にある中、私たちは何を学び続ける必要があるのでしょうか。
講師: 平原 佐斗司(東京ふれあい医療生協 梶原診療所 在宅総合ケアセンター長、オレンジほっとクリニック 所長)
3-2.非がん疾患の在宅緩和ケア-各論 (1.33MB)